N o r m a l

□スキv好きv大好きv
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「スキ…、ダイスキ……。ι」
はぁ…、疲れた……。ι


家に帰り部屋に入った俺はソファーに座り込んだ。


「スキ……。」
はぁ……。


本日、何回目の溜息だろう。
今日は朝から精神的に参っていた。


明日どうしよう。


確か明日の任務は屋敷の蔵掃除だった筈…。
別に任務にこの病気が障害をもたらす訳では無いが、『スキ』と『ダイスキ』しか喋れないとなると、自分の感情が相手に伝えられ無い。
つまり、会話が出来ないという事だ。
蔵掃除はたいてい別れてするような任務。
ナルトは兎も角、サクラやカカシとペアになれば面倒臭い事この上無い。
カカシは人を小馬鹿にしてくるし、サクラは勘違いするだろう。
かといってナルトは俺が喋ら無いと機嫌を悪くするし……。


「スキ…。スキ・ダイスキ…。」
はぁ…。一人でやりてぇ…。


俺はまた、深く溜息を吐いた。




















「は〜い、今日は蔵掃除だからペアを決め〜るょ。 久しぶりにナルトとサスケ、サクラと俺だからね。んじゃ、解散。」


ナルトとペアになれて良かったのか悪かったのか、俺は複雑な気分だった。


普段ならかなり嬉しいんだろうな〜…。


俺はナルトと蔵の裏に回った。






「サスケ、この壺何処にしまえば良いんだってばょ?」

「………。」

「なぁ、サスケってば!聞ぃてる?」

「………。」

「…ンも〜良いってばっ!!#」

「………。」


昨日予想した通り、ナルトは機嫌が悪くなってしまった。
本当は直ぐにでも返事をしたいのに、ナルトと話したいのに……。
今の自分が情け無くて俺は溜息を吐いた。






「「………。」」


機嫌が悪くなったナルトは黙り込んで何も言わなくなる。
俺も何も言えない。
言ったとしても『スキ』と『ダイスキ』だけ。
沈黙が続く。

俺はナルトを見るしか出来なかった。
梯に登り木箱を取り出している。


あ〜ぁ、本当なら俺が代わりにやりたいのに。


ナルトに危ない事をさせたく無い。
そんな事を思いながら俺はぼーっと、ナルトを見ていた。
途端―――…






 
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