N o r m a l

□キライ☆嫌い☆大嫌い☆
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サスケのこんな声のトーンを聞いたのは、俺がサイと話してた時以来だ。


あの後、凄く機嫌悪くて当分口聞いてくれなかったっけ……。


「そうなの、ナルト?どうして『キライ』って言ったの?」


サクラちゃんは優しく俺に訊いてきたけど俺は何も言え無かった。


そんなの俺が知りたいってばょ。


「キライ……。」
分かんないってばょ……。

「『キライ』だけじゃ分かんないでしょ、ナルト。」

「キライ・ダイキライ。」だって此しか喋れないんだってばょ。


そう言うと俺の目がぼやけた。


もう嫌だってばょ。


俺が泣いていると、何かに気付いたのか、サスケが俺の目の前に来た。


「おい、ウスラトンカチ!『サスケ』って言ってみろ。」

「え?サスケ君何か分かったの?」


先程とは違い真剣なサスケの態度へのギャップにサクラちゃんは小首を傾げている。


「キライ。」
サスケ。


とりあえず俺はサスケに言われた通りにしてみたけど、やっぱり俺の口は『キライ』としか言わない。


「もう一度言ってみろ。ほら、サースーケ。」

「キーラーイ。」
サースーケ。


「「「………。ι」」」


沈黙。


かなり真面目にしたつもりなのに其でも俺の口は『キライ』としか言わない。
最悪だってばょ。


俺達は一斉に溜息を吐いた。


「やっぱり、お前『キライ』しか言えなくなったんだな?笑」


さっきまで機嫌が悪かった筈のサスケはクスクスと笑っている。


「キライ、キライ・ダイキライ?」
サスケ、何で分かったんだってばょ?

「ふーん、『ダイキライ』も言えるのか。」


更に、にっこりと笑みを浮かべているサスケ。


「サスケ君、何か分かったの?」


サクラちゃんはまだ何も分かっていない様だ。
そんなサクラにサスケは軽く「嗚呼」とだけ返答した。


「前に俺が『スキ』と『ダイスキ』しか言えなくなっただろ?アレだょ、多分な。まぁ、ナルトの場合は『キライ』と『ダイキライ』だけど?笑」


サスケはそう言うと俺を自分の胸に引き寄せた。






 
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