N o r m a l
□トマトの味
2ページ/3ページ
「ん……やっ…。///」
トマトを飲み込むまいと舌で押し返す。
サスケもナルトにトマトを飲み込ませようと舌で押し込む。
暫く口の中でトマトの押し合いをしていると、突然サスケがナルトに仰反った。
こくん…。
その振動でナルトはトマトを飲み込んでしまった。
サスケはまるで勝ち誇った様に笑みを浮かべ、ナルトを見下ろす。
「な?美味いだろ?」
ナルトは俯いた儘何も喋ら無い。
「おい、ウスラトンカチ!聞いてんのか――…」
「サスケなんて大嫌いだってばょ!!」
「え?ι」
突然自分を睨んで叫ぶナルト。
気まずくなったサスケはナルトから目を反らせた。
『サスケなんて大嫌いだってばょ!!』
先程の言葉が胸に突き刺さる。
いてぇ……。
サスケは無意識にズキズキと痛む胸を抑え付けた。
傷も無いのに深くえぐられた様に痛い…
違う、痛いのは胸じゃない…
此は……?
サスケは再び目線をナルトに戻した。
目の前で泣きじゃくるナルトが愛しく見える。
なんだょ、此…?ι
其はトマトの様にほろ苦い気持ち。
サスケは無意識の内にナルトを抱き締めていた。
「…きらい……。」
「あぁ…。」
消えてしまいそうな声を出すナルトにサスケは小さく呟いた。
ただ、何度『嫌い』と言われてもずっとナルトを抱き締めていたかった……。
―end―――…