N o r m a l

□g h o s t...
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10時、最初の見廻りの時間。
脅えながらも懐中電灯を手に取りスイッチを付けて部屋を出た。















コツ…コツ…コツ…


昼間とは違い暗くしん、と静まり反った廊下を歩く度に自分の足音が響き渡る。


早く終わらせて部屋に戻るってばょ…。


薄暗い廊下に響く自分の足音が何故か自分のじゃ無く聞こえ、歩く足は自然と速まっていく。
暫く見廻り、やがて最後の部屋迄来た。


「ふぅ、良かった。何にもなかったってばょ。」


最後の部屋を点検した後は来た廊下を帰るだけ。
ナルトは何事も無かった事に安心して軽く溜息を吐いた。


コツ…コツ…


先程と同じ様に足音が響き渡る。
暗い廊下を照らす懐中電灯が足元だけを照らす。


カツン…


「!!」


今…足音聞こえた?


一度立ち止まり辺りを見回す。
何も変わった所は無い。


気の所為……かな?ι


ナルトは深く深呼吸して再び歩き始めた。
恐怖の所為か背中に冷や汗が通う。
自分の足音さえも恐怖に変わる。
ナルトは早足で歩き始めた。
途端―――…






カツン…カツン…






自分の足音ではない足音が廊下に響いた。
今度ばかりは気の所為じゃない。
しかもその足音は段々近付いて来ている。


「誰か居るのかってば!?ι」


ナルトは足音の方へ懐中電灯を向けた。
すると其所には忍服を着た黒髪の男…。
遠くて良く見えないがやはり近付いて来る。






『アカデミー出るんだって。』
『黒髪の上忍が――…。』






不意にサクラの話が頭をよぎった。
後ろに下がろうと思っても足が硬直した様に動かない。
ナルトはその場にしゃがみ込んだ。


カターン…


「えっ、ウソ!俺の命綱がっ!!ι」


しゃがみ込んだ時思いきり床に叩き付けてしまった為に懐中電灯の球が割れて灯りが付かなくなってしまった。
そんな事はお構い無しに近付いて来る足音。


「うわぁー、マジで付かねーってばょ!!ι」


壊れた懐中電灯のスイッチを何度もカチカチと押すがやはり付く気配は無い。






ドクン…






狂った様に心臓が跳び跳ねる音が聞こえた。






 
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