N o r m a l

□恋色
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「ただいま…。」


久しぶりに帰った俺の家。
なんか新鮮な感じ。
最近サスケの家に泊まってたからかなぁ。


「……っ…。」


サスケの事を考えると直ぐに目頭が熱くなる。
さっきの言葉が頭の中を甦る。


「やだっ……!思い出したく…無いんだってばっ!!」


まだこんなにもサスケの事が大好きな自分が莫迦みたいに思えてくる。

サスケは……
あの女の子が好きなのに。

なんで俺ばっかり好きなのかなぁ?


「…ふ…ぇっ……。」


本当に馬鹿みたいだってば。
一人で浮かれて。
結婚したいなんか思ったりして。


「うぁぁぁぁ―――…」


俺は暫くの間ずっと泣いた。
声が枯れるくらい、ずっと……















あれからもう一週間が過ぎた。
サスケとはずっと話して無い。
と言うより、正確には俺が避けているのだけれど。
このまま行けばサスケの事を忘れられそうな気がする。


なのに……









何で?









何でサスケと同じ任務になるんだってばょ―――?!ι















やっと任務を終えて、俺とサスケは里に帰る途中だった。
任務中も今も殆んど話をしていない。
しかもこの任務、何故か俺とサスケの二人だけで物凄く気まずい。
そんな中、最初に口を開いたのはサスケだった。


「……お前、俺の事本当に嫌いになっちまったのかょ?」

「………。」


俺は黙ったまま視線を下に游がせた。
そんな事訊いてどうすると言うのだろう。
意味が分から無い。


「シカトすんなって。ナルト。」

「………。」


あぁもう、そんな風に呼ばないで欲しい。
忘れられ無くなってしまう。

それにサスケには彼女居るんだから……
今更俺がどう思ってるかなんて関係無いじゃんか。


「なんだってばょ。彼女居る癖に。なんで俺の事そんな風に訊いてくるんだってば。」

「は?彼女?ι」


なんだってば、そのとぼけた様な言い方。
スゲーむかむかするってば。


「そうだってばょ!!お前から告ったんだろ?!」

「告っ?!ι」

「俺なんかよりあの女の子の方が好きなんだろ!!俺はっ―――…」


苛々する。
サスケにも、自分自身にも。


「…―――俺はっ……お前が…サスケの事が……好…きなのに……、今も大好きなのにっ!!」


俺はそれだけ言うと泣き崩れる様にその場に座り込んだ。

何で未だこんなにサスケの事ばかり考えるんだろう?

何でこんなにも苦しいのだろう?






どうして……?





未だこんなにも





サスケが好きなんだろう?




凄く悔しいってば。





 
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