連王部屋
□ある日のイリュリア
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「今日もいい天気ですね・・。」
テラスで紅茶を楽しみながらイリュリアの若き王は呟いた
「作物も順調に育っていていい傾向です。」
ヴァレンタインの騒ぎも落ち着き、各国との連絡も復旧して落ち着いた午後の時間
連王国国王、カイ=キスクは届いた報告書に目を通しながら爽やかな風を感じていた
後の悩みはそう・・・
「早く貴女とお茶を楽しみたいですよ・・。」
未だ時の止まった結界の中に眠る愛する妻を思い浮かべる
Dr.パラダイムが毎日データを取って調査を行ってくれている
成長した息子に早く会わせてあげたいものだ・・
冷めかけてしまっている紅茶に口をつけた時だった
「オヤジの馬鹿野郎―!!!!」
「狽イふっ!?」
聞き覚えのある怒鳴り声と爆発音が響く
突然の事に紅茶を吹き出し、激しく噎せた
「な・・何事です!?」
急いでテラスから身を乗り出すと、無惨にも大きなクレーターの出来た庭と武器を構えている男二人の姿が見えた
「・・・またあの二人は・・!」
階段を使うのもまどろっこしくて、傍に置いていた大剣を掴んでテラスから飛び降りた