連王部屋2
□カイ誕生日企画その1
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「出てきたらどうです?」
暗い部屋
月明かり差し込む窓辺に佇んでいたカイは、少し低めの声で呟いた
深夜の王の部屋
もちろんいるのは王一人のはずだったが・・・
「・・・気付いてた?」
部屋の隅、漆黒の闇が蠢いて一人の青年が姿を現した
「私が貴方の存在に気付かないとでも?」
「ふふ、それもそうですね。」
漆黒の闇を纏ったように、黒衣を揺らしながら青年が歩み寄ってきた
噎せ返るような濃厚な薔薇の香り
王に歩み寄ってきた青年は手に黒薔薇の花束を持っていた
「・・・?」
振り返ったカイは不思議そうな顔をした
何故このような花束を持っているのか?
「私からの贈り物だよ、カイ。」
カイにそっくりな、いや・・・そのものな青年が微笑みながら花束を差し出した
「・・・随分気が早いですね。」
「今し方日付をこえた。だから早くなんてないですよ。」
クスリと青年は笑い、カイを見つめる
「・・・・あぁ、もうそんな時間ですか。」
そういえば窓から見える月はだいぶ傾いている
もう<今日>が<昨日>になってしまった