連王部屋2
□カイ誕生日企画その5
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「・・・窓から入るなと何度言えばわかる?」
書類に目を通しながら、カイは背後の窓枠に腰かけているであろう男に向けて声を出した
「兵には伝えてある。堂々と正門から入れ。」
「どうにも堅苦しくてな。」
ゴキリと首の関節を鳴らし、窓から侵入してきた男はめんどくさそうに言葉を発する
「・・全く。シンの教育に悪いです、少しは養父としての自覚を・・。」
振り向いたカイの眼前に突き付けられた紙袋
「・・・え?」
「プレゼントだ。」
「あ・・ありがとうございます。」
ぽすっとカイの手のひらに収まった小さな紙袋
カイが見上げると、ソルは顔を背けてさっさとソファに座ってしまった
「そんなに照れなくてもいいだろソル。」
こみ上げてくる笑いを堪え、カイは紙袋を開いた
「・・・紅茶・・?」
紙袋の中には小さな缶が入っていた
あまり見た事がない文字で何か書かれている・・
何かわからないが、ふわりと紅茶の香りが鼻孔をくすぐった為そう判断したのだ
「・・珍しいもん売ってたんでね。口に合うかどうかは知らねぇ。」
「早速淹れてみる、ちょっと待っていてくれ。・・お前はコーヒーでよかったか?」
「あぁ。」
棚からソル用のマグカップと自分用のティーカップを取り出し、執務室に備えつけてある簡易キッチンへと向かった