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団長が
風邪をひきました。
〜ロベルト〜
ひんやりと。
冷たさが心地良く
閉じた瞼をうっすらと開ければ、自分を覗き込む碧と視線が絡まる
ぼんやりとした意識でその碧の持ち主に手を延ばせば
怒ったように、半ば力任せにその手を掴まれた
「ろべると…?」
名を呼ぶが、返答は無い
代わりに「馬鹿かお前は」と怒鳴られて
いつものハルならば、此処でムッと唇を尖らせるのだが。
「ろべるとの手、冷たくて気持ちいい」
そう。
何処か夢現に
舌足らずなまま小さく微笑む様に
当のロベルトは吐き出したい文句をぐ、と飲み込み
握った掌から余計な力をふるい落とした
「べ、別にお前のためじゃ無いんだからな…!」
言って傍らの椅子に腰を下ろす
再びウトウトと瞼を下ろしかけるハルの髪を梳くその手つきは
ぶっきらぼうながら、何処となく優しかった
「ロベルトが……ありがちなデレモード…」
ハル自身によって
立てたフラグをポッキリと折られるまでは。
ありがとうございました!
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