*


団長が
風邪をひきました。

〜ロベルト〜





ひんやりと。
冷たさが心地良く
閉じた瞼をうっすらと開ければ、自分を覗き込む碧と視線が絡まる

ぼんやりとした意識でその碧の持ち主に手を延ばせば
怒ったように、半ば力任せにその手を掴まれた


「ろべると…?」


名を呼ぶが、返答は無い

代わりに「馬鹿かお前は」と怒鳴られて

いつものハルならば、此処でムッと唇を尖らせるのだが。


「ろべるとの手、冷たくて気持ちいい」


そう。
何処か夢現に
舌足らずなまま小さく微笑む様に
当のロベルトは吐き出したい文句をぐ、と飲み込み
握った掌から余計な力をふるい落とした



「べ、別にお前のためじゃ無いんだからな…!」



言って傍らの椅子に腰を下ろす

再びウトウトと瞼を下ろしかけるハルの髪を梳くその手つきは
ぶっきらぼうながら、何処となく優しかった





「ロベルトが……ありがちなデレモード…」





ハル自身によって
立てたフラグをポッキリと折られるまでは。








ありがとうございました!



*


*何かあれば一言どうぞ*



[TOPへ]
[カスタマイズ]

©フォレストページ