□あそんでくれてありがとう
1ページ/1ページ


本来のリクエストに応えられなかったという‥
書き直し絶賛受付中ですのでorz






ただ普通に弁当を食べながら会話をして、他愛もない会話をして、時々軽口をたたいたりして、しかし何か違う所が有るんじゃないかと云う質問をされればそれに当たる"違う所"が一つだけある
それは単に飛び降り防止の為に取り付けられたのだろう、しかし乗り越えられる高さからして意味を無しでいないフェンスの外側に座っているという事だ、足の間がスカートでも穿いたかのようにスースーする。いや実際に穿いた事が無いからあくまでも例えとしてであって
外側に、足を放り出して何事も無いように昼食を取り授業をさぼり身体を重ねキスをしてから手を繋ぐ、それだけ聞けばこれもまた甘い普通の日常的なもので、だけれど今日は違った
「忘れ物は?」
「無ぇよ、お前は」
「してへんよ、ほらちゃんとあるやろ」
「‥お前の事だから、間違えて買い物のメモとかじゃねーだろうな」
「‥‥‥‥‥」
「‥‥お前はあっちでコンドーム使うのか」
「いやこれはそのなんていうかはははははははは」
「しかも書いてるのそれだけかよ、記憶力の問題じゃねぇだろ」
「‥すみませんでした」
「別に、まあ最期まで抜けてるのもお前らしいしな」
「なんや引っ掛かる、てか褒められてるんそれ」
「最高にな」
「へー、そうなん」
「‥逝く前に掘ってやろうか」
「別の意味で逝ってまうなあ、でもお前に掘られるんやったら俺おっさんらに囲まれて突っ込まれる方がえぇわ」
「悪趣味」
「あ、そっちなんや」
「下らねえ事言ってないでもう行くぞ」
「‥なあ」
「なんだよ、今更怖じ気づいたのか」
「お前、震えてる」
「震えて、なんか」
"ない"そう言おうとした瞬間だっただろう
風と僅かな浮遊感、視界には微笑む太陽
片手には手汗で今にも滑って離してしまいそうな褐色、片手には遺書の出来損ない、思わず握ったせいでぐしゃぐしゃになってしまったし、屋上からのスカイダイビングは、失敗した
「無いわー、ホンマ無いわ」
点滴を通している針を抜き溜め息をつく
拗ねたようなその表情は幼げである
「しょうがねぇだろ、落ち所が悪かったんだ」
「でも花壇やで花壇、いきなりたんぽぽ見えて一瞬天国か楽園かと思ったわ」
「お前って変わってるのか、変わってないのか分かんねー奴だな」
「ははっ、よう言われる」
痛む身体で、勿論普通なら絶対に歩けないその怪我は本人らにすれば問題は無いらしい、実に摩訶不思議だ
「こっからやったら成功するやろ」
「うわ、あれ菊じゃねぇか」
「マジでか、あーグロテスクなもん見せてまうなあ」
「ほんと、そうだな」
「なあなあ、そういえば思い出したんやけど」
「何を」
「俺、お前のこと好きやった」
「‥過去形かよ」
「え‥あ、ごめん好き、お前今でものこと好きなんや」
「意味違ってきてるぞ」
「‥‥国語頑張っておけば良かったわ」
「そういう問題じゃねーだろ」
「あーもー!大好きやからな!!」
二度目、掴んだ手首はあの時より細くなっていた気がした
地面にキスするまであと何秒か友人が第一発見者となるのはあと何十秒か病室を抜け出した二人に気付くのは遅くてあと何百秒かお互い名前を知らなかったという事実が分かるのは何時だろうか

(あそんでくれてありがとう)

end

リクエスト有難う御座いました!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ