Flow at time
□持つべきものは、
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31話
「……」
さて、どうするか。
目の前には大量の巨大虚。
鈴は丸腰状態で、巨大虚の中心にいた。
「さすがに、ヤバイかな〜なんて」
彼女から焦りは感じられない。
特に策があるわけではないと言うのに。
鈴はにこりと微笑んで、ぐるりと周りを見渡す。
もう気付かないフリなんてしないで。
脳に直接響く声に、鈴は苦笑した。
「……気付かないフリじゃ、ないよ。」
だって…僕は、ずっと話しかけてたんだ
「本当に聞こえなかったんだよ、今、気付いた」
じゃあ、早く呼んでよ。さすがに待ちくたびれた。
「……はいはい。」
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