長編部屋
□巡りあい
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広い広いこの世界。
果てしなく続く青い空。
この世界広すぎる世界で、愛しい貴方と巡り会える確率なんて、限りなく少ないんだろうね‥。
でも、私はきっと巡り会ってみせる。
――あの約束が、私達にはあるから‥
巡りあい
当分騒ぎが終わらなそうなヒノエと湛快を置いて先に学校に来た弁慶を、クラスメートの望美とその幼なじみが出迎えてくれた。
「あっ!おはようございます、弁慶さん!!」
「よっ、久しぶりだな弁慶」
「ええ、おはようございます。お二人とも、お久しぶりですね」
「弁慶さんも聞きました?今日このクラスに転校生が来るって!」
弁慶が挨拶を返すやいなや、わくわくした顔で、そう望美が聞いてくる。
「ええ、朝ヒノエから。望美さん、随分と楽しそうですね」
「えっ!?いやぁ‥」
弁慶の言葉に、そう望美が少しいいずらそうに答えていると、
「‥お前なぁ〜、俺という彼氏がいなから、何をそんなに楽しみにしてんだよっ」
少しひねた感じの将臣がそう告げながら、望美の頬を軽くつねる。
「い‥痛いー!将臣君ったら、か弱い彼女に一体何するのよ!?」
「か弱い?はは、お前の何処がか弱いっつーんだよ!」
望美の言葉に、将臣が腹を抱えて笑う。
「なっ‥!将臣君ったら酷い!」
そんな将臣に望美は顔を真っ赤にして文句を言っているが、本気で怒っているわけではなく、これが彼等流のじゃれあいなのだ。
(‥相変わらずですね‥)
友人達の可愛いじゃれあいを微笑ましい気持で眺めていると、ガラリと教室の扉を開けながら担任が姿を表した。
「静かにー!!今日は、転校生を紹介する」
そう担任が生徒達に告げながら、教室の扉の方の人影へと手招きをする。
すると、扉のところから1人の青年が教室へと入って来た。