テニストリップ

□う
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ここ、どこ?

そう考えながら歩いている間もう何分だったのだろう




##NANE3##はみんなより先に入ったからか最前線の道を歩いていた


「みんな、無事だといいけど…」



最初こそピンクだった霧も途中からだんだんと真っ黒になりもうなにも見えなくなっていた







「だ、だれ…?」



そこに立っていたのは黒い影のようなもの


真っ黒の中で影が見えるなんておかしなことだが
それが、見えてしまうのだ


言葉では説明できないが






「オレ、ハ…」

「…」



ごくん、と生唾を飲み込んだ



影は聞いたことのない機械音で喋る

キィィという音を漏らしながら

壊れたオルゴールのようになんどもなんども繰り返す





「オレ、オレ、オ……オレハ、」



きいたこともない不気味な声に顔をしかめる



「も、っなんなの…?」


恐怖で涙があふれる


しゃがんで顔を伏せているとなにか近づいている音が聞こえた




「埜乃?…っ真澄桜!?



最後の希望と勇気を振り絞って振り返った





そこには、無数の影






「もういやああああああっ」



狂ったように叫んで耳をふさいだ




「聞いてくれ、お嬢さん」

「初号機は暴走する上にまともに喋れないから駄目ねぇ」

「僕らは大丈夫だよ!」




老若男女色々な声がする




「あ、あなたたちは、なんなの…?」




「オレ、オ…レ…タチ、オレタチハ、クロ」

「初号機を黙らせろ!」

「あたちたちはね、この世界の住人なんらよ!」

「つまんないから人間をよんだってワケ」





影達がくすくすと笑いだす




こいつら、おかしい




「おいおい客人が怖がっているじゃないか」

「コワガッ…コワ、」

「もういいじゃん、つまあんない!早く殺しちゃお〜」






「っ、〜…なんで、私たちがあっ」


頭をめぐるのは恐怖、恐怖、恐怖





「ダーツの旅じゃ、わしらはあれが好きでのぉ…やってみたんじゃ」

「馬鹿にしてるの!?私たちのこと!!」




訳のわからない怒りが沸く






「まぁまぁそうほたえなや」

「いいこと、してあげるじゃないか!」




「はあ!?」





影達はまだわからないの?とくすくす笑って馬鹿にした



「っもうなんなのっ!!」



「ダーツの旅だよ、お嬢さん」



そういうと影達が私を囲んで円になった




「な、なによ」





「お嬢ちゃん、そんなとこおったら串刺しなるでぇ?」


影達がにやりと笑った(気がした)





影達は一斉に黒いダーツを取り出した


円のなかには急にまあるい見たことのない地図が浮き出てきた

それを合図だと言うように一斉にダーツが投げられた


「きゃああああああああ」


目をつぶっていたが全く痛くない




地図を見ると、一か所に山のようにダーツが刺さっている





「ここみたいねぇ、」

「ばいばああい」






「え?え?」



そのとき、意識はたたれた











 
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