平凡主連載
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それは高一の春のことでした。
立海大付属高校へと続く桜並木
まだ数回しか通っていないこの道は
何度みても絶景だ
そんな桜の元
部活の勧誘をする生徒の声
ほとんど中学からの持ち上がりの生徒がおおいなか
外部受験ではいってきた私たちはかっこうの餌である
『うわーこんなにいらないのに…』
「やーねー外部受験ってもうばれてるのかな…」
大量のチラシをかかえ二人同時にため息を吐く
持ち上がりがおおくアウェーな雰囲気が漂う教室で
はじめて友達になれた子がこのこ、中村まなである
『まなちゃんはどっか部活きめてるの?』
「あたしね、硬式テニス部!
こーみえて中学時代は全国いったりしてたんだから!」
そうにこっとはにかむ可愛い友達
て、ことは数少ないスポーツ特待生女子?!( Д ) ⊙ ⊙
「ゆずきちゃんは?」
『あたしはね、マネージャーやってみたいな!な、なーん…て…』
なんだかまなちゃんの顔が強ばっている気がする
「男てにの…?」
『い、いやーきめてないけど…ら、ラグビーとかいいなー…ムキムキまっちょーな、なーんて…あは』
「ならいいや!」
まなちゃんはいつものまなちゃんに戻ってくれた。
にしてもさっきのはなんだったんだろ…
そんなことを考えながら遠い校門の方をみた
な、なんかあっちの方だけいおうに人がいる
『あ、あれは一体…』
女子が群がっている
「でた、あれ立海名物男子テニス部だよ」
『へ、へぇー』
名物かー、
男テニのまねさんもいいなぁ…
感嘆しながらすこし近づいてみると大量のマネージャー希望者さん
『ね、ねぇまなちゃん
ちょっとだけ、見に行かない?』
そういってぎこちなく見つめると
あんなに過剰反応してたのに小さくこくりと頷いた
「……でもね、みるのは良いよ?
けど、マネージャーはやめた方がいいと思うの」
『え、あー、うん』
まああれだけの人数がいたら
私なんてマネージャーになれたいだろうし
見るだけ見るだけ〜♪
二人で意味もなく警戒しながらゆっくりと近付いてみる
…???
イケメンがいるときいたけど
どうみてもフツメンの先輩方がいた
香水くさい御姉様方の野次がきこえる
「幸村くんいないのー?」
「丸井くんどこかくしてんのよ!!」
「におーくぅーん!やぎゅーくぅん!」
「柳くんどぉこー?」
きゃんきゃんうるさーい!
『え、と…この人たちは誰をさがしてるの…?』
「去年の中学のレギュラー陣だよ
もうね、びーっくりするほどいけめん揃いだったの」
『ふぅーん』
「あ、でもね。中学時代とかいっときマネージャー20人近くいたらしいよ?!ほとんどやめていったらしいけど…だからね、ゆずきちゃんはやめた方がいいよ!」
『ま、まじか…』
私には無縁の世界だな。
そう思ってその場を立ち去った