テニストリップ
□い
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それはやっと夏を越し秋を向かえ、肌寒い季節になったある日の夕方、突然の出来事
そこは某駅のコンビニ
そこの本のスペースに２つの長い影があった
「ふんふん〜♪今週のジャンプのこり一冊じゃないか！！ラッキー♪
赤犬にマグマ攻撃をされたエースの…」
「あﾞあﾞあﾞあﾞ！！！聞きたくないいい！！ネタばれすんな！！」
この週刊少年ジャンプを持って鼻唄交じりで飛び跳ねている少女
名を水木埜乃という
そしてその横で人の迷惑を考えずコンビニ内で耳をふさいで叫ぶ少ね、げふんげふん…少女は
「おい、なんか余計なの聞こえたぞ」
名を浜崎真澄と言う
２人は小中高と同じ学校の所謂腐れ縁ってやつで
しかもジャンプオタク仲間なのだ
だから自然と仲良くなっていき、今では親友ランクである。
「この駅で待ち合わせなのに梨茶たち遅いねー」
「ん、そうですねー」
真澄は執念深くさっきのことを気にしているようで
恨めしそうにそっけなく喋っている
だが埜乃は特に気にした様子もなく
いつものことだ、という感じで
コンビニで買ったばかりのポッキーを食べながらレジにならぶ
つか、一気に買えよ
店員さんがまたこいつかよって顔してるよ、
「袋はいいですよね？」
ああ、もう２回目だからって
袋無しがほぼ肯定されてるよ
「いや、いりますよ！コーラの水滴でジャンプ濡れたらどうしてくれるんです？」
「は、はぁ..」
しらねえええよ、！
つか、こんな季節にそんな水滴でることねぇよ！
つかお前コーラ飲んでからめんどいとかいって袋に入れずそのまま鞄に突っ込んでただろ！
どんだけめんどくさがりなんだよ、！
どんだけ店員に迷惑かけるんだよ、
「そうだ！
姉さんのジャンプのエースが愛してくれてありがとうとか言ってるとこがにじんで
よくわかんなくなったらどうしてくれんだ！なくに泣けなくなるだろ！」
そう言って真澄が悪ノリを始めた
普段常識人のくせにたまにボケてやらかすというくせ者だ
「おい！てめ、こら！！
ネタバレしてんじゃねえよ！！
つーかお前もう展開知ってんじゃんか！！何で怒ったんだよ！」
そしてレジの前ですごい形相で喧嘩を始めた2人
(もちろん口でだけだが)
二人は周りのことなんて気にせず論争を繰り広げ
今はなぜかジャイアンの団子っぱなについて話している
そして人が溜まっていき、２人の後にはもう４人もの客が並んでいる
「あ、あの…すいません、お会計を…」
「「外野はすっこんでろ！」」
「は、はあ…」
店員さんは軽く呆れかえっている
「あの〜、」
２人の肩から声が聞こえた
同時に振りむき
「「なに！？」」
と言葉を発した瞬間真澄はピタっととまり埜乃は一瞬で青ざめた
「そろそろ金払ってもらわな、困るんですがねぇ？」
そこに立っていたのは少し色のついた眼鏡をかけた3、40代くらいのおっさんだった
おっさんと言ってもただのおっさんではない、チョイワルおやじだ、
しかも昔めっちゃやんちゃしてただろってかんじのチョイワルおやじだ、
もう人３人は軽く殺してますよってくらい人生経験豊富そうなチョイワルおやじだ
「すんっません！！まじすんません！！！もういますぐ払うんで、！まじ！
1000円で勘弁してください！
それでも気がおさまらないならおまけに右手の小指もつけますからああああ！
命だけは勘弁してくれませんかっ？！右手の小指ならあんまし使い道ないんであげますからあああ！！
命だけはああああああ！！」
埜乃はちびりそうになりながらレジの台の上で土下座を始めた
ってかどうやってのぼったんだよ、
「や、もうそういうのはいいから…」
「やっぱり魂(たま)なんですか！？魂なんですねえええ！？」
埜乃は勘違いして半泣きで下に頭をこすりつけている
さあ、埜乃がこんな思いをしている仲、真澄はというと、
「ふぁ....眠たー、」
自分は何も買ってないのをいいことに
コンビニの外に出ていた
「埜乃まじどんまいだな(爆」
なんて友達思いのない子なんだ、
しかも(爆)って自分言ってますね
「かっこばく」って！
活字にするとふつうだけど
普通にきいたらただ何言ってんだこいつですから
「そういえば梨茶たちまだかよ、
もう結構経ってっぞ…？」
携帯を見ながらそう呟いた
ちなみに待ち合わせ場所はコンビニでも、コンビニの前でもなく
コンビニのまん前にある駅の改札口である