望み
□望の事U
1ページ/1ページ
小さな路地を進んで行く継。
何か見つけたようだ。
継の視線の先には一つの扉がある。
継は一瞬、戸惑った様だったが、その扉に手をかけた。
扉はかなり古いらしく、ギィ〜という音を立てながら開いた。
扉の中は…一般的な家だった。
継がこんな所に来たのも、ここまで来れたのも、継がこの街を知っていたからだ。
そしてここも、継の知っている場所。
そう、ここは、継の生まれ育った家…
「良かった…あの時のままだ…」
継が何故、ここから離れたかは分からない。
何故この場所に、継は戻りたいと望んだのだろうか?
ここに来てまだ何十分と経たないうちに、継は扉を開け、外へ出て行った。