short story

□人
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自然に足が向かった
この歩道橋。

高杉と一緒に歩いた
お決まりの散歩コース。




今は1人で歩いている。





不思議な感覚だ、と
銀八は思う。


あの時の歩道橋は、
こんなにも広かっただろうか。


こんなにも、
寂しかっただろうか。







さらに足を進めて行くとその先にある小さな公園。

子供みたいに君と遊んだ色とりどりの遊具。



だけど今は、そんな遊具も
綺麗に咲く花達も、
モノクロと化したかのように色を帯びない。




君が居ないだけで、
こんなにも世界は
色褪せて見えるんだ。






家の中も外も、君との思い出で溢れている。

いつの間にこんなに、
思い出作ったんだろうね。




銀八は冷たく吹き続ける風に身震いし、また目的地も無いまま足を進め、公園を後にした。













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