捧げ小説
□Love you*each other
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「志保ーただいまー」
……アレ?
「志ー保ー! ……寝たのか……?」
只今の時刻は2時56分。
志保が寝ているわけがない。
連絡が来ていたのだろうかと携帯を開くと、案の定、新着メールが一件あった。
「――……ぅ゛えぇ゛ζ※%〆×θ$*&#煤v
今日は黒羽君のお家に行くわ、だとォォォオ!?
――ガチャリ
「……お帰りなさい」
「し、志保……」
なんだ、嘘か……。心臓が止まるかと思った。
笑えない冗談はやめてくれ……。
でも今は、そんなことより。
「なあ志保〜、ずっと働きっぱなしで疲れてんだ。充電させて」
靴を脱いでさっさと上がり、後ろから志保に抱きつく。
が、腕を振り払われる。
俺不満。
「久しぶりなんだからさ〜……」
もう一度、今度は志保が拘束を解けないように、ぎゅっと引き寄せる。
途端に吸い込んだ髪の匂いは、おそらくシャンプーの名残。
いつもの香水は潜まっていた。
余所行きではない無防備な姿にきゅんとし、柔らかな心地よさに流されて、
ひたひたと満たされていくのを感じる。
「……言っておくけど、あなたみたいな無神経な人、……あっちょっと……っ!///」
――実はここから記憶がない。
***
「……もう」
彼に下げられた服を正す。
少し期待してしまった自分が恥ずかしい。
だって、ずっと会ってなかったのよ。
この人は何とも思わないの……?
間近に置かれたあどけない横顔を見つめた。
……違うわね。わかってるわよ。…それくらい。
「――クリスマスなのに、お疲れ様」
怒れなくなっちゃったじゃない。
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End...?