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□寂しい夜には
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日付が変わり、
リビングの方で
動く気配がある。
寂しい夜には
「おかえり」
ドアを開けて
仕事から帰ってきたであろう智に声をかける
「あっ、ただいま。
ごめん・・・。
起こしちゃったね。」
眉毛を八の字にして
あたしをみる。
「ううん。大丈夫。
なんか、眠れなかったから。
お風呂入るでしょ?
着替えもって来るね。」
そう言い残して
あたしは寝室に智の着替えを取りに行く。
着替えを持って、
お風呂場に行くと
ガラス越しに
智のシルエットがうかんでいる。
かごの中に着替えをいれて
洗濯機をまわす。
寝室に戻ろうかとも思ったのだが
リビングのソファに腰を下ろす。
ボ−っとしてると
不意に背中に温かい体温を感じる。
「寝ててもよかったのに。」
あたしの耳元でささやく智に
「寝れないから。」
そう一言返すと
あたしの手をひっぱって
寝室に連れて行く。
「一人だから寝れないんだよ。
おいらが帰ってきたんだから
おいらと寝よう」
(実はおいらがいなくて寂しかったんだろ?)
(実はね。)
(実はおいらもね 笑)
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