花ロマ文庫1

□第八話
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血の繋がりってなんだ?
絆って?
ともが大切だから、守りたいと思う
強くなりたいと思うことも、大切だから 
でも最近…
なにかが欠けてる気がするんだ
それがなんだか分からないけど
 
ともの顔をみるたび、身体が熱くなる
泣かせたくないのに、笑っていて欲しいのに
おれの中で、変な感情が渦巻いていて
胸がきつく締め付けられていく 
はやく、はやく
とものかけがえのない存在になりたいと強く感じて 
ともに触れて欲しくて…?
 
おれは、どうかしてるんだ 
 
―― 
 
 ともゑに一人になりたいと言われ、菫は戸惑っていた。
自分も訳が分からず変な事を言ったけれど、ともゑも様子がおかしい。
このまま一人にしておくのは気が引けたが、無理矢理追い出される形で保健室の扉に手を掛ける。
 
「鍵がしまってる?」
 
不思議そうにしている菫の後ろから、かすれた笑い声が聞こえる。
 
「アハハ。それ、桔梗ちゃんのしわざ。ホント、おせっかいだよね……」
 
冷たく言い放つともゑに、菫は胸が激しく痛む思いがした。
 最近ともゑの何気ない言葉や行動に、胸が熱くなり、痛み悲しむ事がある。このよく分からない感情を抱えたまま、菫は鍵をあけ扉を閉めた。
 
「このままでいい。もう、いいんだ」
 
ともゑは、涙のあとが残ったベッドに深く潜った。
 
 
 
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