読み切り

□君が帰ってきた――夏。
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夏の和室に転がる俺。
蒸し暑い日本の夏は寝苦しい……‥。
特に今のような昼間は、



やることの無い暇な俺は
うるさい蝉の音を聞きながら、
うつら……うつら……、としている。








―――ちりん……。



聞き覚えのある鈴の音がした。




―――――ちりん……‥。



(また、聞こえた……‥)


それは以前にも聞いたことのある音……‥。
夢の中で聞こえたそれは、とても懐かしい音だった。



そして、脳裏に浮かぶ1匹の黒猫。


「若(ワカ)……?」


夢に入りかけていたはずだったのに気がついたときには跳び起きていた。しかし、見渡した視界には何もない……。



「……だよな、若のはず……ないよな、」



(――…そう、若であるはずはないんだ、)


 

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