マリーゴールド
□変わり始めた日
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翌日 朝の通学路にて
春奈「美冬、秋江おはよ〜!!」
後ろから走ってきた声に、2人は振り返った
秋・冬「おはよう。」
春奈「あれ、彩夏は?」
少し困った様子で秋江が答える
秋江「委員会だって。」
春奈「へ?うちらもう委員会引退したよね?」
美冬「後輩に頼まれたらしいよ。」
春奈「ふ〜ん、たいへんだね。・・・あっ」
前方で1匹の猫が寝ている
春奈の瞳が輝いた
春奈「ねこぉ〜!!」
ふらふらと猫に近づいていく春奈
普通にスルーする秋江と美冬
美冬「・・・まったく、動物見るたびに釣られるんだから・・・。」
秋江「よっぽど好きなんだね。」
美冬「限度があると思うけど?」
秋江「あはは・・・ねえ、美冬。」
少しだけ、秋江の声のトーンが落ちる
美冬「なに?」
秋江「昨日何かあった?いつもと少し違うよ。」
美冬「・・・ちょっとね。学校でみんなそろったら話すよ。悩みがある、とかいうんじゃないからさ。・・・ありがとね。」
秋江「そっか。」
納得したように秋江は頷いた
その時
クラスメイト「おはよう。」
クラスメイトが話しかけてきた
秋江「おはよう。」
美冬「・・・ぉはよ〜。」
クラスメイト「ねね、西田さん。英語の宿題見せて〜。やってくるの忘れちゃってさ。」
秋江「英語は何時間目?」
クラスメイト「5時間目。」
秋江「だったら昼休みがあるから自分でやってごらん。」
クラスメイト「ええ〜!!」
秋江「がんばってね。」
ひとしきりそんな会話をしたあと、クラスメイトは先に歩いていった
ダダダダダっ
そして近づいてくる足音
春奈「置いてくなんてひどいさ〜。」
美冬「春奈のペースにあわせてたら遅刻する。」
秋江「ほら、行くよ。今日は春奈の就職合否発表でしょ。」
春奈「うう・・・ひどいさ〜。そして行きたくない。」
美冬「だめ。」
春奈「ううう・・・」