マリーゴールド

□変わり始めた日
1ページ/4ページ

翌日 朝の通学路にて

春奈「美冬、秋江おはよ〜!!」

後ろから走ってきた声に、2人は振り返った

秋・冬「おはよう。」

春奈「あれ、彩夏は?」

少し困った様子で秋江が答える

秋江「委員会だって。」

春奈「へ?うちらもう委員会引退したよね?」

美冬「後輩に頼まれたらしいよ。」

春奈「ふ〜ん、たいへんだね。・・・あっ」

前方で1匹の猫が寝ている

春奈の瞳が輝いた

春奈「ねこぉ〜!!」

ふらふらと猫に近づいていく春奈

普通にスルーする秋江と美冬










美冬「・・・まったく、動物見るたびに釣られるんだから・・・。」

秋江「よっぽど好きなんだね。」

美冬「限度があると思うけど?」

秋江「あはは・・・ねえ、美冬。」

少しだけ、秋江の声のトーンが落ちる

美冬「なに?」

秋江「昨日何かあった?いつもと少し違うよ。」

美冬「・・・ちょっとね。学校でみんなそろったら話すよ。悩みがある、とかいうんじゃないからさ。・・・ありがとね。」

秋江「そっか。」

納得したように秋江は頷いた

その時

クラスメイト「おはよう。」

クラスメイトが話しかけてきた

秋江「おはよう。」

美冬「・・・ぉはよ〜。」

クラスメイト「ねね、西田さん。英語の宿題見せて〜。やってくるの忘れちゃってさ。」

秋江「英語は何時間目?」

クラスメイト「5時間目。」

秋江「だったら昼休みがあるから自分でやってごらん。」

クラスメイト「ええ〜!!」

秋江「がんばってね。」

ひとしきりそんな会話をしたあと、クラスメイトは先に歩いていった

ダダダダダっ

そして近づいてくる足音

春奈「置いてくなんてひどいさ〜。」

美冬「春奈のペースにあわせてたら遅刻する。」

秋江「ほら、行くよ。今日は春奈の就職合否発表でしょ。」

春奈「うう・・・ひどいさ〜。そして行きたくない。」

美冬「だめ。」

春奈「ううう・・・」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ