マリーゴールド
□それぞれの発見
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〜彩夏の場合〜
「さすがに冬場の海はさむい・・・」
海岸にやってきた彩夏
さすがに水中を探すなんて馬鹿なことはしない
しらみつぶしに、砂浜を掘り返していく
「・・・はは、潮干狩りみたい。何年ぶりだろ?」
・・・ ・・・ ・・・
時間だけが過ぎていく
1人きりのせいなのか、普段は思わないことも考えてしまう
「・・・ずっと同じ場所には・・・いられないんだよ。」
無理なことを言って駄々をこねたあの後輩に、自分は何を言ってやればよかったのだろう?
上の空での作業
ふいにその指に何かが触れた
「これは・・・」
2組の小さなそれは、砂まみれである
「イヤリングっぽいけど・・・?」
彩夏はそれを海水で洗うことにした
「冷たい!痛い!〜〜!!」
わめきながらも、イヤリングから砂が取れていく
緋色の石が埋め込まれたそれが、水中で輝いていた