マリーゴールド
□春の国
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<はじまりは、とてもちいさなたねだった
たねをひとつぶつちにうめ、まいにちかかさずせわをした>
春奈「すごい・・・これいつから?」
美冬「気がついたのはさっき。」
美冬は本を閉じて答える
春奈「イツキならこの本のこと、なにか知ってるんじゃない?聞いてみようよ」
春奈がそう言うが、美冬は渋った
美冬「・・・いいよ。まだ信用できないし。」
春奈「えーっ、イツキはいい人だよ」
美冬「悪い人じゃないってのはわかるよ。けど、まだ信用はできない。」
春奈「美冬はだめだなぁ」
春奈がため息をつくと、美冬は少し顔をひきつらせた
美冬「わたしは春奈とは違うの。・・・信用できるようになったらちゃんと言うよ。」
春奈「そう?じゃあ頑張って」
美冬「うん・・・春奈、はやく寝なさい。」
春奈「美冬もでしょ〜」
美冬「うん、わたしも寝るからさ。先に戻りな。」
ふくれた春奈に苦笑しながら、美冬は視線をそらした