main
□raindrop
1ページ/2ページ
パシャパシャ…
雨。
雨。
雨。
「……あめだあ…」
冷たい涙型の雫。
際限なく俺の体を濡らしていく。
足踏みをすれば水たまりが揺らめいて。
跳ね返った雫が服にまた泥のシミをつくっていく。
傘も差さずに空を眺めれば、体は芯まで冷えていく。
心も芯まで冷えていく。
「……はやく…、」
早く、
目を覚まして。
雨ばかり見つめる三蔵。
そんな顔、みたくない。
呼んでも、―…“呼んでも”。
俺を見てくれない。
寂しいとか、考えたくなくて
外へ飛び出した。
雨は俺を麻痺させて。
だけど、
心の痛みだけは消してくれなくて。
→