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□星に願いを
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流れ星に３回、
願い事を唱えると願いが叶う
おとぎ話の様なつまらない迷信
それが
本当に実話なのだとしたら
子供騙しもいいところ
だけど、
心のどこかでは信じている自分が居る
ねぇお星様？
もし、
本当に１つだけ願い事を言っていいのなら
こんな些細な願い事でも
叶えてくれますか？
星に願いを
俺の命は半年も持たない
医者である三蔵に告げられたのはいつだったっけ？
別にどうでもいいけどさ
親だって
俺の事嫌ってるみたいだし
お荷物が無くなって清々するかも
もし、俺が死んでも
泣いてくれる人は居るのかな…？
人は泣いてくれる人の数で
自分の存在感がどれほどのものかがわかる
昔テレビかなんかで見たっけ
「…俺が死ぬなんて実感ないなぁ」
腕も脚も身体もまだまだ動く。
頭だってはっきりしてる。
でも確かにこの身体は病魔に刻々と蝕まれている事実
それなのに
それなのに
俺は叶わぬ恋をしました
好きな人
それは、主治医の三蔵。
でも想いは告げない
だって三蔵には
綺麗な奥さんが居るから
前に偶然三蔵と奥さんが
２人で話をしている場面に出くわてしまい
紹介されてしまった。
『紹介する、俺の妻の……だ』
イタイ
何処が？
イタイ
病魔に蝕まれた身体？
イタイ
イタイ
イタイ
ココロガイタイ
知ってしまった
三蔵が結婚していた事
知りたくなかった
三蔵の幸せそうな顔
イヤダ
イヤダ
イヤダ
イヤダ
痛い
苦しい
嫌だ
悲しい
ねぇ、お星様
俺はどうしたらいい？
生きたいと願えばいい？
それとも
この苦しさから逃れる為に死にたいと願えばいい？
でもね本当は違う、違うんだ。
今まで願っても叶うことのなかった願いが
叶わなくなるのが怖かった。
でもねこんな些細な願いも俺には大事な事だった
俺のホントの願いはね……
誰でもいい
ただ、愛されたかった
だけなんです
愛する事しか知らない俺が
親でも友達でも……
そう、三蔵でも
愛してくれるなら誰でも
誰かに愛されていると、
幸せなんだと実感したかったんです
その願いは
到底叶いそうにないけどね
だから俺はこう願うよ
“僕に夢を見させて”
とびっきり幸せで
醒める事のない夢を――
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