Novel(BLEACH)
□ずっと、待ってる。
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▼ずっと、待ってる。
「ご免な」
…あぁ、またあの夢だ。
あの日から、何度も何度も夢に見る。
あの時のアイツの顔が、声が、今もあたしを縛ってる。
「…サイアク」
午後になっても、あたしの気分は晴れなかった。
「たいちょー。あたし、他隊宛ての書類まとめて置きに行ってきます」
「どうした松本。いつもなら面倒臭がって行かねぇくせに」
「それがぁ〜昨日少し食べ過ぎちゃって。運動しないとなって」
「そういうことか…」
「そういうことです」
「わかった、行ってこい」
「はーい。あ、隊長、あたしが居ないからって仕事さぼっちゃダメですよぉ?」
「誰が!とっとと行け!」
「あはは、行ってきまーす」
このまま此処にいたら、隊長に気付かれてしまう。ウチの隊長は結構鋭いから。
「ふー」
やっと、一人になれた。
こんな自分、らしくない。
でも、沈む気持ちはどうしようもなかった。
「…?」
やばい、何か、くらくらする。
何でだろ、朝ごはん、抜いちゃったからかな…。
―ドサッ。