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□君を、想う
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『私と同じ』
 そんなことをふと思ってから、私の中で何かが変わった気がした。

 この人は、どれだけつらい思いをしているのだろう。いや、自分自身、つらいとは感じてないのかもしれない。

造り出されたときから、生まれる前からその使命を背負い、その役目を必死にこなしている。それがさも当然のように。

綺麗な顔は痛みに歪み、繊細な心は他人も自分さえも気づかぬまま傷ついていく。

何故、人間は私たちに『痛み』を感じる力など与えたのだろう。いっそ、はじめからそんなものなければいいのに。
そうすれば、傷つかないのに。

幸福の中で、ふとそう思う。


せめて貴方だけでも、この呪縛から解放されたら。この重すぎる呪縛から。
この重みを背負う為に生まれてきた。そのために造り出された。私たちは、解放されたら存在する意味が無くなる。


―でも、それでも。

貴方の自由を願わずにはいられない。



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