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□龍の巫女とその男
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クワンは結構、口うるさい。
「アマランス。」
「何?」
「髪が絡まっていますよ。」
「ああ、風が強いから。」
「こちらへ。梳いて差し上げましょう。」
「別に…」
断ろうとする私をじっと見つめる。
「わかった…」
私を椅子に座らせて、丁寧に梳いていく
「髪質、変わりましたね。」
子供の頃は癖が強く、ふわふわとしていた。
―が、今はそれほどでもない。長さも少し短くなった。
「昔はお姫様のようだったのに。」
「昔は…ね…。」
「(姫のままではいられないということか・・・)」
子供の頃は『姫』などと呼ばれることも多かった。
愛されて、守られていた。
今もそれは変わらない。
けれど
―私は、守られているばかりではいられないのだ。
オアシスを『復活』させなければならない。
髪質が変わったのは、戒めのよう。