Novel(etc...)
□The day of beginning.
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―ガガガッ。カンカンカン。
「(…うるせぇ…)」
近所の工事が始まる音で目が覚める。
これはもはや目覚まし代わりになっていた。
「(アタマ、痛ぇ…)」
今日の予定が特に何もないことを頭の片隅でぼんやりと確認すると、カーテンの隙間から容赦なく差し込んでくる光から逃れるように寝返りをうった。
―と、白っぽいなめらかな物が目に飛び込んできた。
「…?……っ!?」
慌てて飛び起き、確認する。隣に寝ていたのは皆口由紀だった。
「(な、何でコイツがここにいやがんだっ!?)」
由紀はリーのベッドの上で、小さく寝息をたてている。
その身体には何も纏っておらず、シーツで胸元から下が覆われていた。
よくよく見れば、自身も裸である。
心臓がバクバクする。
リーは口元を押さえたまま硬直し、思考だけを巡らした。
「(ちょ、落ち着け!確か昨日…)」