連載
□虹変『怪』D
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それから二人が書物とにらめっこをしていると、あっという間に時間が過ぎて気が付けば夜になっていた。
k「テツ、ユッキー。晩飯やて」
t「あー…もうそんな時間か、そういや腹減ったなぁ」
tetsuたちは食事をするために囲炉裏のある土間へ移動する。
h「よ!久しぶりやんな、ユッキー」
y「ハイドくん!うん、久しぶりだね」
仕立問屋に出掛けていたhydeとyukiはこの時に初めて対面を果たした。
久しぶりに4人揃った食事とあってか話も盛り上がり、愚痴を交えながら自分の合流までや、合流するまでにあった事などを話し合う。
k「そういや*ハル*ちゃん、今日はご飯、別なんや。なんか寂しいなぁ」
y「いつもは一緒に食べてるんだ?」
h「夕飯は時間も同じやからって一緒に食うててん」
t「気、利かせてくれたんかな…4人揃って色々な話もするやろて」
k「優しい子やからなぁ」
h「生意気やけどな」
そう話ながら4人は食事を終えると各々の部屋へ帰った。
部屋に戻ってみると就寝まで少し時間があって、tetsuはどうしても話をしたいと思い*ハル*の部屋へ向かう事にした。
*ハル*の部屋は門下の長屋とは別の方向で道場の裏手の離れにある。部屋の障子戸を軽く叩くと返事がありtetsuは戸を開ける。
「テツか、どうした?」
丁度。食事を終えた所らしく、*ハル*はパチと膳に箸を揃えて置いてtetsuを見た。
t「今日、食事に来んかったからどうしたんかと思ってん」
「急ぎの仕事が入ってきてな、それに手をつけていたら食事の時間が過ぎていたんだ」
t「もう終わってん?」
「あぁ、刹太に手伝ってもらったおかげで早く片付いたぞ」
少し不満げなtetsuの様子に、何を思っているか何となく察した*ハル*。
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