Others
□ごめんな
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「うんめー!じっちゃん!これすんげぇうめぇよ!」
「そうかそうか。たんとお食べ」
囲炉裏を囲み、口一杯に食事を含みながら笑う少年に、老人も嬉しそうだ。
鳥達の囀りと、囲炉裏の中で燃ゆる火の弾ける音。
それ以外は、何ら静かなものだった。
「明日は、丁度10年になる日じゃ。もっと沢山の馳走を作ってやろう」
「ほんとか!?やったー!!」
「悟空は何か食べたいものはあるかの?」
「オラ、肉がいい!肉たらふく食いてー!!」
「何じゃ、それではいつもと変わらんな!」
「へへっ!///」
「よし、朝飯も済んだ事だし、修行するとするか」
「うん!」
老人が少年の肩に手を置きながら、二人で嬉しそうに外へと出て行った。
その老人の目は、何ぞ悟っているのか…酷く悲しい目をしている。
少年の無邪気な笑顔に、それはあまりにも滑稽に映った。
「っはぁー!今日も一杯修行したし、飯も美味かったぁー!」
それから修行を済ませ、夕食を食べ終えた二人。
昨日と同じように縁側に腰掛けると、少年は膨らんだお腹を休ませる為にゴロンと横になった。
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