Others
□存在価値
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“神様、お願いします。戦争をなくして下さい”
“神様、お願い。母様の病気を治して”
『神様、お願い……』
空青く澄み渡る景色の中に、ポツンと浮かぶその建物。
人間達は恐らく、一生の中でこの建物を目にする事はまずないのだろう。
その建物の白い床に立つ人物が一人。
明らかに人間とは違う顔立ちの、杖を持った青年。
「………………」
「どうした、デンデ」
「………………」
その建物の中から、もう一人同じ顔立ちをした人物が出て来て、青年をデンデと呼んだ。
しかしデンデと呼ばれた青年は、その言葉に何も応えない。
「………？デンデ？」
「………ピッコロさん……、貴方は辛くはありませんでしたか？」
「何がだ？」
「…、人間達の願いを聞く時です」
「………………」
「一週間程前から、空に向かってお祈りをしている男の子が居ました。“神様、お願い。母様の病気を治して”…と……」
「………………」
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