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□流レ思フ心
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「っは!」

ドンッ、と酒のグラスをテーブルに置く白銀髪の男。
ちらりと見れば女かと思う程の端正な顔立ちをしている彼は、見るからに機嫌が悪そうだった。

「誰だっつーんだよ。こんな夜中に、しかもチンケな酒場に呼び出した野郎はよ。」

舌打ちを一つする男はまたグラスを煽る。
その時、チリン・・と酒場のドアが開く音がし、白銀の男はその方向を向いた。
入って来たのは、レインコートのような長い灰色の上着と、それに付属されているフードをかぶった男で、肩幅が広く、上背があり、いかにも「イタリア人男性」といった感じだった。
そのフードの男はツカツカと白銀の男に歩みよると少しフードをあげ、彼だけに顔を見えるようにする。

「っ・・!お前っ・・!」

白銀の男は目を丸くし、勢いでガタンと椅子を鳴らし立ち上がった。それを見たフードの男は上げていたそれを戻し、ついてこい、と言うかのように一度振り向く。白銀の男はマスターに急いで金を払うと、すでにそとに出ていってしまったフードの男を追った。





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