潔く、美しい赤
□第20話
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荷物をまとめ、陵南体育館の入口に集まる湘北バスケ部。
握手を交わし話をしている陵南の監督と赤木を見ていた椛は、いきなり肩から荷物の重みが消えたのでおもわず斜め後ろを振り返った。
「…怪力」
『…』
奪った犯人は流川。
意外と重いその荷物を自分の肩にかけると、椛から少し距離をとる。
『(なんか少し拗ねてる…)』
憎まれ口をたたきながらも荷物を持ってくれた流川に、椛は小さく苦笑した。
試合の結果は、残念ながら陵南の勝利。
しかしその試合の内容はけして悪くなかった、と椛は思っている。
出足19対0と陵南に大量リードされたが、赤木のダンクとその後にリングからこぼれたボールを押し込んだ流川のダンクによって、湘北は完全に火がついた。
強豪である陵南に五分(ごぶ)の戦いを繰り広げ、前半は50対42とその差8点にまでつめより終了したのだ。
後半、赤木の負傷というアクシデントもあったが流川の活躍や桜木のリバウンドでの活躍もあり、直ぐにかえされはしたが一時的に逆転もした。
残り7秒、再び逆転した湘北は勝ちを確信して一瞬の気のゆるみが生じる。
それを見逃さなかった仙道によって、試合終了ギリギリで一本決められてしまい結果1点差で負けてしまったのだ。
『(まあ…やっぱ悔しいよね)』
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