潔く、美しい赤
□第1話
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式は起立・礼・着席の繰り返しで過ぎていった。
正直少し寝ていたと思う。
再び教室に戻ってきた流川は迷わず机に突っ伏した。
「なあ9組の藤真ってヤツみたか?やばくない?可愛くない?」
「マジで?俺見てねぇよ」
「なんでだよみとけよ〜超可愛いって」
教室に戻ってくるや否や、"みつけた可愛い子話"に花を咲かせる男子数人。
何がそんなに楽しいんだか…女に興味もわかない流川にとっては、近くでこんな話をされてもただ耳障りなだけだ。
昔から告白はよくされたが、全くといっていい程女は眼中に入らなかった。
初対面で好きだと言われても
あーそうですか、としか思えないしたいして喋った事もないのに何を好きなんだかわからない。
勝手に理想像をつくってるのか、冷たくあしらえば酷いと言われるしまつだ。
別に女が嫌い…とまではいかないが、やけに甲高い声で騒がれたりすればウルサイと思う。
まぁ要するに…
面倒臭い生き物だ、と流川は思っている。
「(うるせー…)」
横で騒ぐ男子達に心の中でそう愚痴りながらも眠りにおちた。
「…くぁっ…」
あの後大体寝て過ごした流川は、欠伸をこぼしながら駐輪場にて下校する為に鞄の中をまさぐっていた。
どうやら鍵が迷子らしい、中身なんてたいして入っていないのに。
数分後、やっとみつけた自転車の鍵を差し込み帰ろうとした流川の耳に、なにやら言い争うような声が届いた。
「だから乗ってよー」
『嫌。第一なんでここにいんの、朝だけって約束したじゃない』
「そりゃ椛が心配できたんじゃんか」
『話が違う。…それに部活はどーしたの!?あんた部長でしょ』
「大丈夫だよ、午後からだし」
声の方に視線を向ければ、そこにいたのは湘北の制服を着た女と見たことない制服を着た男。男は女の腕をガッチリ掴んでいる。
まぁ自分には関係ない、と帰ろうとした流川だが、どーゆうわけかその男女がいる位置は物凄く邪魔な位置で‥
所謂、
通せん坊状態というやつだ。
『よくつとまるねェ』
「上手いからじゃない?」
『あたしに負けるのに?』
「それは椛が動いてると見入っちゃって」
『人のせいにしないでー。さっさと行きなさい、ほら離して』
「えー‥」
喋りはゆっくりで一見おっとりした性格なのかと思うが、女は離せとばかりに男の足をゲシゲシ蹴っている。
よくみれば、廊下で目についたあの栗色の髪の女だった。
ジャマ‥とおもわずこぼしながら何気なく成り行きをみていると、諦めた男が自転車に跨がり不本意そうに帰っていく。
残された女は小さくため息をつくと、地面に落ちていた鞄を拾いあげ校門にむかって歩きだした。
どーやら流川がここにいた事には気づいていなかったらしい。
「(痴話喧嘩か?)」
やっと帰れる、そう思った流川は自転車に跨がった。
外人?日本人?
「(普通の日本語だったな。やっぱ日本人か)」
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