潔く、美しい赤
□第16話
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部活が始まると、ドリブルシュートが入った事を桜木は嬉しそうに赤木に報告した。
「たわけ」
「うっ…」
一度入ったぐらいでうかれるなと言う赤木とは反対に成長の早さを褒める木暮。
彩子曰く、湘北バスケ部名物アメとムチのやり取りを、流川と椛はなるほどと声をそろえて見ていた。
『(いつも以上にテンション高かったもんなァ)』
休み時間、廊下で偶然会った時の桜木を思い出す椛。
一緒にいた水戸によれば、晴子と2人きりだった事が余計に桜木のテンションを上げてると言う。
『(晴子ちゃんかー…)』
そーいえば晴子ちゃんが好きなのって…とすぐ横にいる流川を見上げる。
「…なんだ」
『ん、別に』
「……」
再び桜木に視線を戻した椛は、他人事のように難しいなァと1人呟いた。
まあ他人事なのだが。
「…藤真」
そんな椛の横顔に何気なく声をかける流川。
『んー?』
「……」
『……』
返事よりもやや遅れて椛がコチラを向くが、特に用があるわけではないので続きがでない。
呼んだわりに何も言わない流川に椛もおもわず黙り込む。
「……」
『……』
「集合ー!!」
赤木の声にハッとする。
そのまま練習へと混じってしまった流川に、椛は小首を傾げていた。
「(コッチ向けたかった)」
『(何か用じゃないの?)』
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