BL小説

□残り香
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360度の大パノラマ








こんなキャッチコピーなら観光客も来そうなもんなのにな。


くじら島について少し落ち着いた頃ゴンの部屋に片付けないままの簡易ベッドで仰向けになりながら窓越しに青空を見る。


ムクッと起きあがれば目の前にはゴンの顔。



「キルアってば!さっきから呼んでるのにー。意外にのんびりするの好き?」




簡易ベッドに手を付きますますキルアに近づくゴン。




「いや、探検飽きたとかそんなんじゃねーし、むしろ楽しいくらいだからさ俺。でもなんかここ来てから落ち着くっつーか毒気抜かれるっつーか」



頭に浮かんだ事がスルスルと口から零れるキルア。



「なんか最後ヒソカみたいだよキルア」




クスクスと目細めゴンは笑めば立ち上がり部屋の戸まで近づく。



「ねぇキルア、探検行こうよ!今度は川縁のほうとかさ」



人差し指立てまるで今思いついたように提案を投げかける。



「あぁ、行く。でも今度はっても川縁は一昨日行ったばっかじゃん」



「あれ…?そーだったかな?」

「ゴンー?居るんでしょ?ちょっと来て頂戴ー?」



ゴンが上向きで考えればミトの呼ぶ声。
腰に手を当てながらでも叫んでいるのだろう事は容易に想像出きる。
恐らくゴンが何かしでかしたかちょっとした手伝いだろう。


「はーい」



語尾下げながらしぶしぶとゴンは下へ向け返事をすれば


「キルア?俺が戻ってくるまでにそこ、片付けといてよ?」


「へいへい」


「はいは1回。もーミトさんに怒られるよ?」



と残し勢いよく階段を駆け下りた。
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