お噺

□狒々様と猩影お兄ちゃん
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『ん?親父!起きたぞ!』
誰だろう。
なんか怖いお兄ちゃんが見てる。

ここどこかなぁ。
お父さんとお母さんと一緒にお散歩に来た山で迷子になったんだ。
暗い山の中で、お父さんとお母さんを呼びながら泣いていたところまでは覚えてる。

なのになんでお布団に寝てたのかなぁ。
お兄ちゃんの顔をじっと見てたからかな?お兄ちゃんがちょっと変な顔をした。
『何を見つめあっとるんじゃ。』
『ひっ!?』
なんか変なお面つけた大きな人が来た。食べられるのかな。
怖くてお兄ちゃんの後ろに隠れた。
『……親父、怖いってさ。能面外せよ。』
お兄ちゃんがアタシの代わりに怖いって言ってくれた。
『おぉ!怖かったか、スマンのぅ。』
そういってお面の人はお面を外してくれた。
『お母さんより美人!』
お顔を見た瞬間思わずそう言っちゃった。
『キャハハハ!母御より美人か!しかし儂は男じゃぞ!儂は狒々という。お嬢ちゃんが盾にしとるのは息子の猩影じゃ。』
美人って言ったらちょっと変なお顔したけど笑って頭を撫でてくれた。



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