gintama

サディスティックな王子様
1ページ/1ページ

「チャイナ娘、また呼び出されてたぞ。」


土方コノヤローにそう言われた。沖「あぁ、そうですかィ。」
なんて平然を装うが、内心は気になって仕方ない。神楽と付き合って半年、俺もあいつも告白と称し呼び出される数は減ったがやっぱりまだなくなった訳ではない。元々お互いにそういうことが人よりは多かったが、今でも神楽が呼び出されるのは気に食わない。今度はどこの馬鹿だ、と思っていた。









神楽は呼び出しには必ず応じてちゃんと返事をしてくる。理由を聞けば「人に気持ちを伝えるのはものすごく勇気がいるのヨ。だからちゃんと応えないと。」なんて言っていた。そんなところも彼女の好きなところだったりする。なんて考えていると聞こえてきた女子たちの会話。
「神楽ちゃんが呼び出された人、C組の鵡川くんだって〜」
「あれ、あの人あんまりいい噂聞かないよね?」
「まあ、神楽ちゃんなら大丈夫でしょ!強いしね!」
土「あ、おい、総悟!!」
土方が呼び掛けるよりも早く、沖田は走り出していた。
(かっこつけてねえで最初から行きゃあいいのにな)
そう呟きながら沖田の背中を見送った。













屋上まで走る。嫌な予感しかしない。畜生、この俺がここまで余裕なくなるなんて。自傷気味に苦笑いが込み上げた。バタンと多きな音を立てて屋上の扉を開けると案の定フェンスぎりぎりに追い詰められている神楽と名前も覚えてねえ野郎の姿。ちっ、と舌打ちをして神楽の元へ歩く。
神「総悟っ!!」
あーあ、涙目なんかになってらァ。さすがに男の力には敵わなかったのだろう。近寄るとぎゅうっと俺の学ランを掴んでカタカタ震えるこいつを抱き締めて、隣の野郎をちらりと見ると、そこそこ整った顔立ちのそいつは今にも食って掛かってきそうだ。










神楽の耳元で甘く名前を呼んでやる。顔を上げた瞬間に噛み付くようなキスをした。
神「…っっ!?///んぅ!…っ、は…あ…///」
最初は暴れていた神楽も背中をつつ…となぞってやれば途端に大人しくなった。
力が入らなくなったのか、神楽の膝ががくんと崩れた。俺はその小さな身体を受け止めて野郎に一言。
沖「てめえに選択肢をやりまさァ。ここで俺に殺されるか、二度とこいつに近づかないか。」
そう言った俺は自分でも相当サディスティックな笑顔を浮かべていたと思う。野郎は顔面蒼白で逃げて行った。











神「…おい、このサド野郎…///」
声に見下ろすと真っ赤な顔をした彼女。
沖「あぁ?「恥ずかしいだろうが、コノヤローっ!!///」
俺の腕の中でじたばたと暴れるこいつでさえ、可愛いと思った。








サディスティックな王子様
(午後からサボって俺ん家行きやしょう)
(はぁ?)
(他の奴に触らせたお仕置きでさァ)
(っっ!!)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ