●SS

□【大好きな貴女への贈り物】
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黒鉄さんが無道さんの部屋に遊びに行ったため今この部屋には私と桃香さんの二人きり正直今日ばかりは心臓の鼓動が早くなるのがわかる



日頃の感謝の気持ちをこめて勇気を出してバレンタインのチョコレートを渡さなくては…



「あの…その…桃香さん」


「ん〜?どしたわんこ」



桃香さんは雑誌に目を向けたまま私の呼びかけに答えた



「あの…ですね…チョ…チョ…コ…………………を」


俯いて赤面しながら話す五十鈴気付かないうちに小声になる



「ごめんわんこ、よぉ聞こえん…も少し声のボリュームあげてくれるか?」



「は…いスイマセン…では、もう一度…」



深呼吸する五十鈴



「チ…チ…チョコ…チョコレ…トト」



しどろもどろになる五十鈴


「さっきからどないしたんよわんこ?」


ガバッと起き上がり五十鈴の顔を覗き込む



真っ赤だった顔が桃香に見つめられて更に赤くなる




「桃香さ………………」



「言うてみ?わんこ…」



酷く優しい問いかけに胸がキュ〜っとなる


コツン…と額と額がぶつかって、これでもかと言うくらいの至近距離で心臓が口から飛び出てしまいそうな感覚に陥る五十鈴





「……桃香さん…に…バレンタイン…の…チョコ…をあげたくて……………あの…受け取っていただけますか?」



精一杯の拙い言葉を紡ぎだす



目を丸くする桃香




「う……うちが…もろてええの?」



「貴女に食べて欲しいんです




「わんこ……………」



込み上げてくる熱い感情が抑えきれずギュッ…と五十鈴を抱きしめる桃香




「も……桃……香さん?」




「ありがとう…わんこ…ほんまにありがとう…うち嬉しくて泣きそうや…」










二人は時がたつのも忘れていつまでいつまで抱きしめあい感謝の言葉を口にするのだった─…





END










【後書きと言う名の言い訳】はいリクエストのあった桃×犬何つうか…もかちゃんの言葉遣いが恐ろしいくらい適当で笑えます(コラ)。いやはや難しいですね…(遠い目)日々精進ですね(ーー;)

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