読み切り小説

□青い花を君に
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今日は珍しく一人だった





「あれ、蒼くん一人?」

「ユージはどした?」


いつも左隣に感じる温もりは、今日は感じられない


「そういえば赤井くん見ないけど…」

「休みか?珍しいな」


目が痛くなる程の赤も、今日は見る事はない


「勇次郎、風邪引いたんですって?」

「心配だな。赤井くん大丈夫かな」


「………………」


無性に、アイツに会いたくなった


















とはいえ、学校をサボる訳にはいかない
放課後に見舞いにでも行こうと決め、今はとりあえず休み時間を過ごす事にした



フラりと歩いていてたどり着いたのは、校舎の裏側。
ここには小さな…本当に小さな丘があり、その頂きには木が一本立っている

良い感じに日陰になっていて、俺のお気に入りの場所だ

…よく、勇次郎とここに来ている



「(駄目だ…思い出してしまうな)」


ふと視線をずらすと、ここを気に入っている奴がもう一人…








「森永」

「あ、蒼くん」


D組の、森永翠だ



花壇を自由に使っていいという許可をもらって、ここで花を育てている

最近は、この辺一帯が様々な花で埋め尽くされている

俺は花は嫌いじゃないし、勇次郎も寧ろ好きだと言っていたから、別に咎めはしないが


「あれぇ?勇次郎くんは?」

「馬鹿でも風邪を引くみたいでな」

「ふぅん。大丈夫かなぁ」


大丈夫だろ。と適当に返し、木の側に座る
昼休みの余った時間。まだ余裕はある

だが、一人だと暇で仕方がない


「っ………」


まさか、俺が勇次郎に翻弄されるなんて

居なくなって初めて気付く、か…恥ずかしすぎてアイツには言えないな



「…森永、それ新しい花か」

「ん?そうだよ。一昨日咲いたんだぁ」


そこに咲いていたのは、今まで見たことが無かった、白く小さい花が集まってできたような花…
よく見ると、青色の似たような花も近くに咲いている


「レースフラワーっていうの。こっちのが、ブルーレースフラワー」

「…そのままだな」

「花の名前って結構そんなモンだよ?そういえば、ブルーレースフラワーは昨日咲いたんだ」


レースフラワー…確か、勇次郎は小さめの花が好きだと言っていた

…普段の俺なら、絶対こんな事はしないんだが












カシャッ



携帯で二つの花を写真に収める

それをメールに添付し、一言も添えて送信


「蒼くん優しいねぇ」

「……黙れ」


送ってから、妙な恥ずかしさが込み上げてきた
今日くらいは…なんて。柄にも無いことをしてしまったな


「ちなみに、レースフラワーの花言葉は感謝。ブルーレースフラワーの方は、無言の愛っていうんだよぉ。綺麗でしょ!」

「…………………はっ、?」

「そういえば、勇次郎くんも昨日来てね?ブルーレースフラワーに興味示してたなぁ」

「ま、まさか花言葉教えたりしてないよな…?」

「え?したよ?」










恥ずかしさがメーターを振り切った





「(柄にも無いことするんじゃなかった…!!)」


その後、勇次郎から送られてきたメールを見て、俺は見舞いに行くのをやめた





from 勇次郎

sub ありがとう
――――――


熱下がってきたしもう大丈夫だと思う

お前も花見たんだな
俺青い方咲いたとこ見てなかったんだけど
あの青、お前みたいで綺麗だった


―――――――












―お前みたいだなんて―






◇◆◇◆◇◆


よく分からんイチャイチャ小説でした(笑)

話の流れは、風邪引いて勇次郎が側にいなくて寂しくて柄にも無いことした蒼が辱しめをくらうといu((違

最後は、花言葉が無言の愛なんていう花を自分みたいだと言われて恥ずかしがってるんです。

分かりにくくてすいません。反省はしない!!←






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