がくカイ小説

□−欲しいもの−
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「カイト? 今、何か言ったか?」
「え、あ、えっと、その…」

何故か赤くなり狼狽える彼が、何度か口を開いては閉じて声を絞り出す。

「がく…」
「ん? 何だ?」
「あ、えっと、そうじゃなくて…」
「…カイト…? っ!?」

突然に触れたそれは、また直ぐに離れてしまう。
カイトからのキスに、私は思考も呼吸も、一気に止まってしまっていた。
完全に、油断していた。

「カイト…」
「あの…欲しい物、なんだけどさ…」

顔を伏せてはいるが、蒼い御髪から覗き見える耳は真っ赤に染まっており、私は堪らなくなって彼を抱き締める。

「あぁ。何が欲しい?」
「…がく…」

……まさか、先程のは私の名を呼んだわけては無いと?

「 "私" 、か…?」
「うん…」

欲しい物として、私の名を上げていたと?

顔を上げたカイトの、真っ直ぐな瞳と視線が重なる。
まだ頬を朱に染めている、そのカイトの瞳が、揺らめいた。

「がくが…欲しい、です…」

あぁ、そなたは…。

「…良いのか?」
「き、訊かないでよ…っ、ぅん…んっ…」

思い切って、始めから飛ばしてやろうか? なんて、な。
ただ、そうだな…3日前からのお預けも有るからな、

「歯止めが効かなくなりそうだ」
「うん…それでも、良いよ」

全く…何て事を言ってくれる。

再び深く口付けながら、ゆっくりとその体をソファに押し倒す。
舌を離せば、恥ずかし気に微笑むそなたが本当に愛おしく。

「カイト、愛してる」
「俺も…大好きだよ、がく」

さあ。
たっぷりと私を差し上げてやろうか。
今日の大切な記念日は、まだ始まったばかりだからな。

       −END−
 
 


 −あとがき−
カイトお誕生日おめでとう第2弾です!
時間切れで寸止めになってしまいましたすみません…。
ただ、がくぽ視点がもの凄く楽しかったのと、珍しく積極的なカイトが書けたのとで私的には何かもう満足です←
内容的には薄いのに無駄に長くなってしまうのはどうにかした方が良いかもしれませんね…。
  2010.2.17 byキトラ
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