ポケ擬小説

□日没大祈願!
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7月7日、夜。天気:ハレ。

近所のコンビニに寄ると、笹を持った店員に声を掛けられた。

「稲妻さんですね! ご注文の高級国産竹を届けに参りました!」
「はぁ? え?…え?!!」

10分後。
結局引き取ることになって部屋に帰ると、やっぱりのごとく、アイツがいた。

「あぁ、遅かったな雷光。ご苦労ご苦労」
「コンビニ行ってる間になに人ん家に入ってんだー! どうやって入った?! あと、この笹もおまえの仕業か!?」
「雷光、今日は七夕だったな。楽しもうじゃないか」

やっぱりおまえかー!

「なぜ、俺が、あのコンビニに行くって分かったんだ?!」
「ほら、ここに短冊もあるぞ。好きに願いを書きたまえ」
「人の質問に答えろー!! 大体、そんなもんで叶うわけねぇだろ!」
「織姫と彦星を信じないとは何事だ。さぁ、書きたまえ」
「意味分かんねぇーことほざいてないで、家帰れ! 笹持って帰れ!」
「私がわざわざ出向いてやったというのに、酷いな」

わざとらしく、しゅんとしやがるのが鬱陶しい。

「あ゙ーもぉーじゃあ書けばいいんだな?」
「よし、では書け。書きたまえ」
「(はぁ、めんどい)」

5分後。

「よし、書けた!」
「あぁ、私も書き終えたぞ」
「おまえ何て書いたんだ?(ワクワク)」
「ん? 見たいか?」
「気になるな」
「ほら。雷光のも見て良いか?」
「べ…別に見せるほどの物じゃねぇよ!」

水薫の短冊を奪い取って読んでみる。

『雷光としたい』

「……(怒)」
「雷光は見せてくれないのか。悲しいな」
「見せられるかよ!! っつか、何書いてんだー!!」
「さて、早速願いを叶えてもらうとするか」
「ちょっ! 何すんだ! 放せ! キモイ! はなせー!」

と、水薫が俺を窓に押し付けた。
その時、ヒラリと俺の短冊が落ちてしまった。

「あっ! 俺の短冊!!」
「なっ! 雷光の短冊っ!!」

ヤバい! このままだと、読まれる!
必死に拾おうとして、俺の手と水薫の手がー!!

「さ、触んじゃねぇー!」
(ドスッ)
「グフッ」
「あ…スマン、つい、条件反射(?)で…」
「良い…パンチだ…。君なら…天下一を目指せ…る…」

つい、みぞおちにパンチを入れてしまった…(笑)

「ハッ! 今のうちに短冊を…あれ? 無い…?(焦)」
「何だ…?『水薫に仕事が見つかりますように』…?」
「切実に願うわ…それ」
「雷光、それは間違っているぞ。仕事ならしている。ネットで」
「いや、現実(リアル)で…」

そう言って急いで水薫から短冊を奪う。

「あー…何故取り上げる」
「な…なんとなくだ!」

そう言って奪い取った短冊の裏を見る。

『これから先も、ずっと水薫と一緒にいられますように』

小さくて汚い字だけど、どうか織姫と彦星に気付いてもらえますように。

 
雷光の戦いはまだまだ続く。続くったら続く。

   E N D
 
 
 
 
 −あとがき−
今回もあとがきはキトラが担当させて頂きます。最早恒例です。
とりあえず、「七夕ネタ書こうぜ!」ってナタさんと盛り上がった時点で既に七夕は通り過ぎていました←
それでも書きました。おかげで水薫のキャラが低迷する一方ですww
それに比べて雷光くんは良い子です。とても良い子ですとも、えぇ。
しかしこのシリーズはタイトルでHP削ってるとしか思えませんorz
  2010.8.4 byナタ&キトラ

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