ルルロロ文
□トップシークレット
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今日も俺たちはいつものとおり、中庭でランチをとる。
本当は誰もこないところで、ロロとふたりっきりで食べたいところなのだが、会長命令で他の生徒会メンバーとの食事を強いられていた。
断っておくが、リヴァルやシャーリーがキライなわけではない!
ただ、ふたりっきりでないと・・・・・・
ロロに・・・ロロに・・・・・・
「あ〜〜〜〜ん♪」
といって、サンドウィッチを食べさせたり
「ロロの食べてるやつ、ちゃんと美味しくできてるか味を確認させてくれるかい?」
といって、口移し(=キス)で味見をしてみたり
『兄さんの作る料理は美味しいよ』というロロを
「ロロもおいしそうだな・・・」
といって、(自主規制)したり
で き な い じ ゃ な い か !!
「兄さん、どうかしたの?なんだかヘンだよ」
俺は愛する弟の小さな声で現実に引き戻された。どうやら、俺はトリップしてしまっていたらしい。
いかん、いかん!アブナイ所だった!
俺とロロが恋人同士であることは絶対に秘密にしなければいけない!
いまだ同性同士の恋愛は『良識ある人々』に白眼視されるうえ、世間的には俺たちは血の繋がった兄弟ということになっている。
俺はともかく、ロロがまわりから偏見の目でみられることだけは、避けなければならない!!
もちろん、そうなったら俺は全力をもってロロを守る!
そう、もてる力のすべてを使ってだ!・・・ふははははははははっ!!
ロロのうっかりで会長にバレてしまったのは痛恨の極みではあったが、彼女は案外、口が堅いので、ひとまず安心ではある。
もっとも、第三者にわからないような言い方で「バラされたくなかったら・・・」と無理難題を命令してくることはあるが・・・
ちなみに、ロロに声をかけられてからここまででたったの0.004秒だ!!
そんな俺を、ロロが不思議そうに覗き込んでいる。少し小首をかしげて斜め45度から見上げるなどと、なんたる破壊力!!
おおおおお!近い、近いぞ、ロロ!!
そんなに愛らしい顔で近づかれては、抱きしめてキスして(自主規制)しまいたくなるではないか!!
なんたることだ、気をしっかり持つんだルルーシュ・ランペルージ!!
ここで俺が欲望に負けてしまっては、ロロが『良識ある人々』どもに・・・
俺は愛するものを守るためならば、世界中に嘘のつける男、ゼロだ!この程度の嘘などたやすいこと!!
「なんでもないよ、ロロ。おいしいか?」
「うん♪とっても!」
『やさしい兄さん』仕様の笑顔で問いかける俺を、ロロは満面の笑みで見上げた。
おおおおおおおおおおおおおっ、落ち着け、俺。ドキドキドキドキドキドキ、だから落ち着け、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア!!
さらにちなみに、ロロの「うん♪」からは、0.00008秒だ!
俺は理性を総動員して『やさしい兄さん』をつづける。
「そうか、よく噛んで食べるんだぞ」
そう、俺は人の目があるところでは『仲のいい兄弟』の範疇で『やさしい兄さん』としてロロに接する。
誰にもバレてはならない!
これは、ゼロの正体と同じくらいのトップシークレットだ!!
俺は『良識ある人々』からロロを守ると、改めて心に誓ったのだった。
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