SJ story

□すじゅ幼稚園
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ここは
すじゅ幼稚園。


園児が少ないので、年長さんと年中さんと年少さんみんなで毎日楽しく遊んでいます。


もちろん、先生たちもイケメン揃い。



「しうぉんせんせー!おそとであそぼ!」


お昼休み、

年中さんのとウニョクとドンヘが、シウォン先生のところにやってきました。


「ごめんよ。今ちょっとお話してるから、あとから行くよ」

シウォン先生の膝の上に座っているのは、年長さんのヒチョル。

いつも持ち歩いている黒い猫のぬいぐるみを左手に持ったヒチョルは、
シウォン先生の手をぎゅっと握りしめ、目の前のウニョクをにらみつけます。


「……」

納得のいかない顔のウニョクを、ドンヘがなだめてお庭に連れ出しました。


「それで、そのあとどうなったんだい」

先生の質問に、
顔をうーんと近づけて、ヒチョルは嬉しそうに話の続きをし始めました。






「やっぱりおかしいとおもう!」

お庭ではウニョクが足を踏み鳴らしながら、幼なじみのドンヘに訴えます。

「ひちょるにいちゃんは、ねんちょうなのに!なんでしうぉんせんせーをひとりじめするんだよっ」

「でもさ…にいちゃんはやさしいよ」

ドンヘがつぶやくと、
隣で心配そうにベンチに座ってた年少さんのリョウクも頷きます。

「ひょんはさびしいんじゃないかな…」


「なんだよ!みんながさんせいしてくんないなら、ぼくがにいちゃんにいってやる!」


立ち上がるウニョク。


お遊戯室へ突入です。


「ひちょるにいちゃん!」

ウニョクの声に、ゆっくりシウォンの膝の上から立ち上がるヒチョル。

「なんだ!?いまおはなしちゅうだぞ」

「…い、いつもにいちゃんは、しうぉんせんせーをひとりじめしてずるいぞ!
おれたちもせんせーとあそびたいんだ」

なっ、と
後ろにいるソンミンたちにも同意を求めようと振り向くと

ソンミンはギュヒョン先生と楽しそうに積み木遊びの真っ最中。


「…しんどんにいちゃんもそうだろ!?」

またウニョクが振り向くと、シンドンはこっそりおやつの早食い中。

「ほらみろ、だれもおまえとおなじことおもってないだろっ」

ヒチョル、勝利の笑み。

「…」

悔しそうなウニョクを見兼ねて、年長さんのイトゥクが間に入ります。

「まあまあ、とにかくひるねしよう!ひるねしたら、きっとなかよくなるよ」

「ならないよっ!
ひちょるにいちゃんはいつも、おゆうぎかいのれんしゅうまじめにやらないし、いしょうもひとりだけあかいふく、きるし!ずるいよ!」

「なにっ!」


パシッ


ヒチョルがウニョクの頭を叩いてしまいました。


うわあああん!


泣きじゃくるウニョクの頭を、なでてなぐさめるドンヘ。


「ひちょる!やりすぎだよ!」

唯一、イトゥクに怒られると弱いヒチョルは
目に涙をいっぱいためて、それでも涙はこぼさずにくるりと背を向けると、お遊戯室から出ていこうとしますが…



ドン


後ろに立っていたシウォン先生の長い足にぶつかってしまいました。


そのまま足にしがみついてしまったヒチョルを、優しく抱き上げるシウォン先生。

ヒチョルは小さな手をシウォン先生の首にまわして、ぎゅっと抱き着くと

顔を隠すようにして、えぐえぐと泣き出してしまったようです。


「ほんとのことをどうして言わないんだい?二人とも」

先生は、ヒチョルの背中をポンポンとたたきながら優しく微笑みます。


「ヒチョルはお遊戯会の劇でシンデレラの役をやるから、その練習が終わってからお母さんがお迎えにくるまで、毎日先生と一緒にダンスの練習してるんだよね」

「…」

ウニョクが泣き止みます。

「ウニョクもほんとのことを言わなくちゃいけないなー」

「えんちょうせんせ…」

ウニョクの頭をぐりぐりしながら、後ろからイェソン園長の登場です。


「ダンスの振り付けを、ヒチョルの分までおぼえてるんだよな。ウニョクは」

「…」

隣でドンヘがウンウン頷いています。

「いつもヒチョルの場所をちゃんと空けて、練習してるじゃないか」

イェソン園長が
ニコニコしながら言います。

「さあ、仲直りしよう。お遊戯会のダンスの練習をしなくちゃいけないからね」


小さな声でウニョクが「にいちゃん…ごめんなさい」と言うと、ヒチョルは黙ってウニョクに飴玉をくれました。



「さあ、ボナマナの練習だ!」

張り切るイェソン園長。

「いえ、園長先生。その前にお昼寝の時間です」

ギュヒョン先生が
ソンミンを寝かしつけながら言います。



そういえば
ヒチョルやウニョクたちも、眠そうです。


「じゃあみんなでお昼寝しよう」

そんな優しいシウォン先生のことが、みんな大好き。


結局、大きなシウォン先生にみんなでくっつくようにして、お昼寝したのでした。



もちろん、
シウォン先生の首に抱き着いて眠ったのが誰かは

言うまでもありません。




おしまい(´∀`)
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