11/22の日記

23:59
クリスマス
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珍しく
僕のパソコンに
兄さんからメールがきた。







『痩せた』

って一言と、きっとかなり気に入ってるんだろう写真がついていて。


寮の台所で撮ったんだな、とか
何もそんなところで撮らなくても、とか

考えたりはしたんだけど


凍てつくような寒さの上海で
ちょっと体温が上がるぐらい嬉しくなった出来事だった。





「ヒチョルはずいぶん痩せたみたいだな」

テレビの収録先で
少し風邪ぎみのハンギョン兄さんが笑いながら言って

あのメールは
みんなにも送られてたことを知った。


「豆腐ダイエットしたらしいよ。かなりストレスが溜まって、周りは気を使って大変だったってさ」

ドンへに送られてきたメールには、ヒチョル兄さんの近況報告がたくさんついてきたみたいで


少し落ち込んだ。





離れていても

電話をかけるのはいつも僕からで

兄さんからかかってくることは、ほとんどない。



頭の中の
このもやもやした感情を
神様に消してもらえたらと
そう思ったりもするけど。



中国でも
街は赤と緑のクリスマスのイルミネーションが輝きだした。

韓国でもきっと
寮の周りは綺麗に飾りつけられてるんだろうね。



クリスマスは
一緒に教会に行こうって
毎年言う度に

「またその話か」って笑う兄さんの顔や声を思い出して、無性に帰りたくなった。


そういえば今年は
なんとなく言いそびれたまま


もうすぐ12月だ。







『シウォン?久しぶりだな、元気か』

しばらくして
トゥギ兄さんから突然かかってきた電話。

「珍しいね、どうしたの兄さん」
『どうもこうもないぞ!お前のせいで、こっちは大変なんだ』
「え?」


意味が分からずに聞き返した僕に
トゥギ兄さんが説明してくれたことは思いもかけないことで。




僕はその夜
ヒチョル兄さんに電話をかけた。


「兄さん、ずいぶん痩せたんだってね」
『…なんだ、今さら』

メールの返事もよこさなかったくせに、って
拗ねたように呟く声が愛しい。


「聞いてもいい?」

『いちいち確認するような質問なのか。面倒だな』

「…あの写真、誰に撮ってもらったの?」

『たしかイェソンだったか?あまり覚えてないな』

「そうなんだ」

『そんなことを気にしてたのか。バカだな、お前は』

「ごめん」



少し会話が途切れて
お互いに何も言葉を口にしなかったけど

その間ずっと
離れているはずの兄さんが僕のすぐ傍にいる感じがしてた。



「兄さん、お願いがあるんだ」

『…どうせクリスマスに一緒に教会に行こうって話だろ』


やっぱりタキシードとか着ていった方がいいのか?って

真剣に言う兄さんに思わず笑ったら


電話の向こうから

久しぶりに聞く懐かしい笑い声がした。





僕から電話もメールも来ないせいで
ヒチョル兄さんが機嫌が悪くて仕方ないって

トゥギ兄さんから教えてもらったことは内緒にしておこう。



素直じゃない
愛しいヒチョル兄さんに

少し早いけど…

メリークリスマス!

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