□鈍―ナマクラ―の憧れ
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私は自宅の居間で、しばらく読まずにため込んでいた新聞に目を通していた。

中央図書館の分館は、火事で全焼してしまったそうだ。
不審火らしいが、犯人はあがっていない。
しかし、ヒドい偶然もあるものだ。
これで、あの兄弟が折角掴んだ手掛かりが全て灰になってしまった。

続いて、つい先日の新聞を手にした。
見出しには、『閉鎖された第五研究所。深夜突如の崩落。』と書かれている。
むしろ、その隣の建築物が崩れてしまえばいい。
っていうか、退屈だから遠隔操作で崩したんじゃないか?


「ハァ〜…。」


私はため息を長く吐き出して、新聞を畳んだ。
きっとエルリック兄弟はヘコんでいるだろう。
励ましにでも行ってあげようか。
と思ったら、なんとエドワードは入院しているそうだ。
……何で?



  
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