□銀の首輪 銀の鎖で繋いで
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広げたこの手の中には、赤く煌めく生命の結晶。
焦がれ、追い求め、ようやく私の物に出来た。

私の足下に転がるのは、手にした結晶と同様にその身を赤に染めた物。
焦がれ、悩み、ついに―――



目を覚ませば、腕の中に柔らかいものがあった。
数年ぶりに枷の外れた両腕で、私はソレを抱き締める。
ちゃんとある。


「ン…」


腕の中で身じろぐソレ。
私は己の指をソレの背に這わした。
みずみずしい素肌が、半ば辺りから感触が変わる。
それは普通の肌とは違う、少し突っ張ったようなつるりとした感触。
一度は剥がれ、再生した肌は、今はケロイド状になって彼女の肩の辺りまで広がっていた。


「貴女の事ですから、消しているものだとばかり思っていましたが。」


眠るソレに言葉をかけた。
これは私が負わせた傷。
これは私が付けた印。
私の想いを体にも、心にも焼き付けられたらと付けたその傷の跡。


「それでいいのですよ。」


呟きもう一度掻き抱いて、腕の内に収めた。



―――コレは私が切り捨てられなかった物





 
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