□ぶらり砦散策
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ブリッグズに逗留するようになってから数日。
最下層に空けられた大穴は、兵士の手により徐々に塞がれていった。

その間、キンブリーはレイブンとは別行動を取って、こまめに中央の誰かと電話で連絡をとっていた。
彼がお偉いさんと話している間は、私と私達の世話役を任されているマイルズ少佐は電信室の外で待たされる。
会話を聞かれては不都合があるらしい。

しかし、参った。
キンブリーも含め、やっぱり私もマイルズに嫌われているらしい。
待機中、隣から殺気八割の嫌悪感が飛んでくるし。
おかげでチリチリと首筋と胃の辺りが痛む。
こういう時、私は無性に小さな生き物と触れ合いたくなるものでして。


「ちょっと、お花詰みに行ってくる。」


この場からの脱走を試みてみた…のだが、


「一つ階を上がって、角を左に曲がって少し行った先だ。」
「あ、ありがとうございます。」


まさか、道を教えて貰えるとは思わなかったなぁ。



 
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